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部分矯正とは

「前歯のデコボコが気になる」「前歯のすき間が目立つ」
前歯だけの歯並びの乱れなら部分矯正で治療可能かもしれません。前歯矯正とも呼ばれます。

※矯正歯科治療は医療保険が適用されない自由診療です。

全顎矯正と一般的な部分矯正の違い

全顎矯正と一般的な部分矯正の違い

従来の矯正は歯全体に矯正装置を装着し、歯と顎のバランスや咬み合わせを整えながら、歯を正しい位置に導くものです。それに対して部分矯正は、前歯6本に 矯正装置を装着し前歯だけを部分的に動かします。歯の移動距離も少なく移動させやすいです。
ただし、骨格的な問題のある症例など、抜歯が必要な症例には適応できません。

治療期間について

矯正歯科治療の治療期間はお口の状態により異なります。それでも目安としては、通常の全顎矯正の場合は3~5年ほどの治療期間を要します。しかし部分矯正の場合は、3~6ヶ月ほどで終了することがほとんどです。歯がきれいに並んだあとは、歯並びを安定させるため3~6ヶ月に1回のメインテナンスを行います。

部分矯正の注意点

部分矯正が適応されるのは、治したい部分の歯並びだけが乱れているときに限られます。そのほかの咬み合わせは整っていることが前提です。

また、お口の状態によっては前歯をきちんと並べるためのスペースの確保が難しい場合があります。その場合はまずスペースをつくるために、下顎の前歯が大きく乱れている場合に1本抜歯したり、前歯の隣接面を左右0.5mmほどスライスして歯の幅を狭くする「ストリッピング」という治療を行います。

当院の部分矯正について

部分矯正においてブラケットを装着して矯正できるのは、上下の前歯各6本のみです。その結果、単純に凸凹を整えることはできますが、犬歯が開いて見栄えが悪くなってしまったり、奥歯との段差ができてしまったりといった症状を招くことがあります。

当院ではこれらの問題を回避するため、「2バイ6」という手法を用いています。このシステムにより、犬歯が開いたり奥歯との段差ができたりしないだけでなく、前歯の突出するのを防ぎ、奥歯の軽度な傾斜を治すことが可能になりました。また、審美的にも機能的にも美しく仕上がる施術として有効です。

しかしながら効果が高いだけに、いい加減な施術ではのちのち大きな副作用が起こることもあります。事前にしっかりと口腔内と骨格の分析を行う必要があります。

全顎矯正と一般的な部分矯正の違い

上前歯叢生(上下の部分矯正)

年齢 20代女性
治療期間と通院回数 8か月/8回
治療費総額 38.5万円
主訴 上顎前歯のデコボコ
診断名 上下顎前歯部叢生及び下顎大臼歯近心傾斜
主な治療装置 上下顎セクショナルアーチ
抜歯部位 初診の時点で上下両側第一小臼歯が抜歯済
リスクについて
  • 治療前

    治療前 上前歯叢生(上下の部分矯正)

    治療前 上前歯叢生(上下の部分矯正)

  • 治療後

    治療後 上前歯叢生(上下の部分矯正)

    治療後 上前歯叢生(上下の部分矯正)

この症例の解説

上下顎前歯の凸凹と奥歯が噛んでいない症例
奥歯が噛んでいないのは上下顎の奥歯が前に倒れているためです
このような状態を放っておくと奥歯を失う危険性が高くなりますので、前歯の凸凹と同時に治すことにしました。

奥歯を直立させることにより、噛んでいなかった奥歯もきっちり交互させることができました。

上顎前歯部すきっ歯

年齢 20代女性
治療期間と通院回数 8か月/8回
治療費総額 24万円(上顎のみの部分矯正でメタルブラケット使用)
主訴 上顎正中のすきっ歯
診断名 下顎前歯の突き上げによる上顎前歯正中離開
主な治療装置 上顎セクショナルアーチ
抜歯部位 非抜歯
リスクについて
  • 治療前

    治療前 上顎前歯部すきっ歯

    治療前 上顎前歯部すきっ歯

  • 治療後

    治療後 上顎前歯部すきっ歯

    治療後 上顎前歯部すきっ歯

この症例の解説

すきっ歯の原因はいくつかありますが、この症例は下の前歯が上の前歯を突き上げることを原因としたすきっ歯です。このような場合は通常のようにただ隙間を詰めて治療してもすぐに後戻りをしていまします。そこで、歯の突き上げを解消するように咬み合わせを浅くして治療しました。

上顎の凸凹 O様

年齢 20代女性
治療期間と通院回数 7か月/7回
治療費総額 26.5万円(上顎のみの部分矯正でセラミックブラケット使用)
主訴 上顎前歯2本が飛び出ている
診断名 上顎前歯部叢生
主な治療装置 上顎セクショナルアーチ
抜歯部位 非抜歯
リスクについて
  • 治療前

    治療前 上顎の凸凹 O様

    治療前 上顎の凸凹 O様

  • 治療後

    治療後 上顎の凸凹 O様

    治療後 上顎の凸凹 O様

この症例の解説

上顎の凸凹と出っ歯を主訴に来院された患者さまです。
奥歯の咬み合わせは問題なく出っ歯の原因は上の前歯が下の前歯と比較して大きすぎることが原因です。
上の前歯を0.5mmずつ削って部分矯正で治しました。

※上下の歯を綺麗にかませるためには上下左右の歯の大きさのバランスが取れていることが必要です。しかしながら、このバランスが崩れている方も多い為、歯を1本あたり0.5mm以内で削って調整することもありますが、様々な研究で0.5mm以内であれば全く問題ないことが証明されいる為一般的に行なわれている治療です。

上顎の凸凹 N様

年齢 20代男性
治療期間と通院回数 7か月/7回
治療費総額 35万円(上下の部分矯正で上顎セラミックブラケット、下顎メタルブラケット使用)
主訴 上顎前歯のデコボコ
診断名 上顎前歯部叢生
上顎右側犬歯の先天欠損および上顎右側乳犬歯晩期残存
主な治療装置 上顎セクショナルアーチ
抜歯部位 非抜歯
リスクについて
  • 治療前

    治療前

    治療前

  • 治療後

    治療後

    治療後

上下の凸凹の症例です

矯正装置の種類

矯正装置のブラケットとワイヤーはいくつかの種類があります。

ブラケット
  • メタルブラケット

    メタルブラケット

    金属製のブラケットです。強度が高く丈夫ですが、銀色なので目立ちます。金属アレルギーのリスクがありますが、費用は比較的安価です。

  • 審美ブラケット

    審美ブラケット

    クリアブラケットやセラミックブラケットなどを選ぶことができます。金属アレルギーの心配がなく、あまり目立ちません。費用は比較的高価です。

ワイヤー
  • 銀色のワイヤー

    銀色のワイヤー

    銀色のワイヤーです。比較的安価ですが、お口の中でどうしても目立ちます。

  • 審美ワイヤー

    審美ワイヤー

    白色のほか、レモンゴールドやピーチゴールドのワイヤーから選ぶことができます。歯の色やお口の中の色と調和して、目立ちにくくなります。
    当院ではセラミックブラケットを使用した患者さんには無料で提供しています。

部分矯正のリスクについて

  • 通常の矯正治療に比べて後戻りのリスクが大きい場合があります。
  • 多くの症例でストリッピング(1本あたり0.5mm以内で歯を削る)を行いますが、上下前歯の大きさの比率にアンバランスがある場合はストリッピングを十分に行えないことがあります。
  • ストリッピングによりごく稀に知覚過敏が起こることがあります。
  • 原則非抜歯での治療になるため、口元の突出は改善しません。

  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等がありますが、数日間~1,2週間で慣れることが多いです。
  • 歯の動き方には個人差がありますので、予想された治療期間が延長する可能性がございます。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要です。それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • 治療中は装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもございます。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがございます。
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがございます。
  • ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがございます。
  • 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがございます。
  • 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがございます。
  • 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性がございます。
  • 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性がございます。
  • 矯正装置を誤飲する可能性がございます。
  • 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性がございます。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性がございます。
  • あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性が高くなります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性がございます。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがありますので、その場合、再治療等が必要になることがございます。
  • 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは困難になります。