すきっ歯は原因別に治療しないと治らない、あなたにあった治療法はどれ?

大人の矯正

すきっ歯が気になって、うまく笑えない…表情を変えるのがニガテ…という方からのご相談をよくいただきます。
鏡を見たときに、どうしても目立っているような気がしてしまうすきっ歯。

すきっ歯の治療は、一見簡単そうに思える方が多いようで、取り急ぎ、近所の歯医者さんでの治療を考えられてしまう方も多いようです。

また、歯科医でも、歯を後ろに引っ張ってスキマを埋めればいいと、安易に考えられてしまっている方がいらっしゃるのも事実。

しかし、原因をきちんと見極め、適切な治療を行わないと、高額を支払ったのにすぐ戻ってしまった…ということになりかねません。

そこで今回は、自分で治せるすきっ歯と、早急に歯科医院へ相談する必要があるすきっ歯について、お伝えします。

舌癖が原因のすきっ歯

舌癖が原因のすきっ歯
上図のように、上顎前歯だけでなく、下顎前歯にも隙間がある場合は、舌が前に出る癖(舌突出癖)が原因のすきっ歯の可能性が高いです。

この症状の場合は、自分でも治すことが可能です。

舌突出癖がある場合、舌が常に歯を内側から外側に押す力が働くため、歯が外側に倒れ、隙間ができてしまうんですね。

このタイプのすきっ歯はまず、舌のクセを治すことが必要です。舌のクセをを治すだけでも改善がみられるため、自分で治すことも可能なんです。

舌のクセはM.F.T.(口腔筋機能療法)という舌のトレーニングで癖を治すことができます。
舌のクセが治ったら、通常の矯正治療を行うと良いでしょう。
矯正装置は通常のブラケットでもマウスピースでもどちらでもOK。
また、奥歯がキレイにかめていて、すきっ歯以外に問題がない場合には部分矯正も可能です。

ただし、舌のクセを治さずに安易に治療しても矯正装置を外したとたん、元に戻りやすいので注意しましょう。舌突出癖と思われる場合は、矯正歯科医院でM.F.T.(口腔筋機能療法)を取り入れているクリニックを選んで下さい。取り組んでいる矯正歯科クリニックでは、ホームページ上で舌癖やM.F.T.(口腔筋機能療法)についての説明が書かれていることが多いので、矯正歯科クリニックを選ぶときにチェックしてみると良いですね。

M.F.T.(口腔筋機能療法)は専門のトレーナーが患者さんに直接、練習方法を指導します。当院は、歯科衛生士全員を対象に、東京での専門的な指導方法を習得することを義務付けています。

下顎前歯の突き上げが原因のすきっ歯

突き上げが原因のすきっ歯
かみ合わせが深いと、上図のように下顎前歯が上顎前歯を突き上げることが原因で、すきっ歯になることがあります。
また、常に下顎前歯が上顎前歯を突き上げるため上顎前歯がグラグラ動いてしまうこともあり、なるべく早く治療した方が良いです。

このタイプのすきっ歯は、単純に、上の歯の隙間を閉じようとしても閉じることができません。
そもそも下顎前歯が上顎前歯を突き上げているのですから、歯を後ろに引っ張って隙間を閉じることはできないのです。

このタイプのすきっ歯は、まず、深いかみ合わせを治すことが最優先。ですので、下顎歯列からの治療となり、本格的な全体矯正を行う可能性がもっとも高いすきっ歯となります。

原因を取り除くきちんとした治療が必要ですので、しっかりした矯正専門医で診てもらいましょう。

歯が小さいことが原因のすきっ歯

歯が小さいことが原因のすきっ歯
綺麗な歯並びになるためには、いろいろな条件がありますが、そのうちの一つに、上下左右の歯の数と大きさのバランスが良い・・・ということがあります。

特に上顎前歯6本の大きさの合計と下顎前歯6本の合計の比率が一定の範囲に入っていないと綺麗な歯並びにはなりません。

上の図を見て下さい。左上の2番目の歯が小さいですね?
このように小さい歯のことを「矮小歯」というのですが、上顎側切歯(前から2番目の歯)が矮小歯になることが多いのです。

このように矮小歯がある場合は大きく分けると2つの治療方法があります。

歯を大きくする方法

小さい歯を大きくする補綴(ほてつ)と言われる治療方法です。

・クラウンと呼ばれる人工の差し歯を、小さな歯の上から被せて隙間を埋める方法

・ラミネートべニアと呼ばれる、付け爪のように薄い人工歯を小さい歯の表面に貼り付けて隙間を埋める方法

上記のどちらかになります。

クラウンのメリットは、取れにくいこと。デメリットは、ラミネートべニアと比べると、どうしても歯を削る量が多くなります。そのため、場合によっては、歯の神経を抜く必要がでてくることもあります。

ラミネートべニアのメリットは、歯を削る量を最小限にできること。デメリットは、付け爪のように貼るだけなので、どうしても割れやすかったら李、取れやすいです。

どのくらい歯を削る必要があるかは矮小歯の大きさや形によって変わりますので、どちらの治療法がよいかは担当医としっかり相談しましょう。

矯正治療で隙間を詰める方法

矮小歯の大きさが僅かに小さい程度でしたら、下顎前歯を0.5mm以内で削って上下前歯の大きさのバランスを合わせることができれば矯正治療で隙間を閉じて綺麗な歯並びにする事が可能です。
歯を削る事に関しては矯正治療で歯を削る?ストリッピングのメリットとデメリットも、併せて見て下さいね。

矮小歯の大きさがかなり小さい場合には下顎前歯を少し削ったくらいでは上下前歯の歯の大きさのバランスを合わせることができません。

その様な場合は後ろの歯を全て前に移動して隙間を埋めることになるのですが、どうしても矮小歯がある側のかみ合わせがズレてしまいます。

この方法で治療してもかみ合わせに問題が生じないかどうか担当医が判断して治療することになります。

歯が欠損している事が原因のすきっ歯

歯の数が生まれつき足りないという事もあります。歯の先天欠損というのですが近年先天欠損のある方が増えています。
特に下顎前歯、上顎側切歯、上下左右第2小臼歯(前から5番目の歯)に多いです。

先天欠損が原因のすきっ歯は、どの歯が欠損しているのかによって、治療方法が様々。
矯正治療だけで治療可能な場合もあれば、インプラントなどの治療が必要になる事もあります。

まずは矯正専門医に相談していくつか治療方法を提示してもらいましょう。
そのうえで、どの治療方法が自分にとって一番良いのか担当医と相談して決めることが大切です。

上唇小帯強直症が原因の正中離開

上唇小帯が原因のすきっ歯
上唇小帯とは上図左のように上唇と歯茎をつなぐすじのことなのです。
このすじが上顎前歯の歯と歯に入り込んでいることを上唇小帯強直症(上図右)といいます。

歯と歯の間にすじが入り込んでいることで上の歯の真ん中に隙間ができることがあります。
上顎前歯正中だけに隙間がある場合には一番考えられる原因です。

この場合は上唇小帯切除術という小さな手術をしてまず、この小帯の異常を治すことが最優先となります。
その後に矯正治療で歯の隙間を閉じる治療になります。

自分はどのタイプ?まずは、お気軽にご相談を!

舌突出癖があるのか?しっかりとした治療が必要なのか?
なかなかご自身では判断もつかないはず。
歯科医院で治療するにせよ、まずは受診して、しっかり見極めましょう。

当院では、舌突出癖の方がご自身でできるトレーニングを指導することも可能ですし、
あなたの必要に応じた、最適な治療プランをご提案することも可能です。
1人であれこれ悩まず、まずは相談してみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました